ROCK READING 幸福王子の「馬鹿かお前らは!」を、原作と比べながら考える
幸福王子、見てきました!
率直に今年見た舞台で一番好きで、勢いのまま「姫*1」の自覚が生まれました。ワタクシ今日から姫ですので、みなさま何卒お見知りおきください。
今回は、原作との対比から見るロックリーディング幸福王子の感想を書けたらなと思います。あらかじめお断りしますが、これはオタ活の延長にあるブログで、私は文学にも舞台芸術にも明るいわけではないので、あくまで「感想文」と捉えていただけますと幸いです。
姫のみなさまのレポで、大千穐楽にて本高くん*2 が「『馬鹿かお前らは!』というセリフにいろんな意味が込められています。ぜひ考えてみてください」といった旨の発言をされたと読み、従順なオタクなので考えてみようと思います。
■舞台版のうろ覚えレポ
「ーーある街を見下ろす小高い丘に、王子の像が立っていた。
その王子は金で装飾され、ルビーの剣をたずさえ、両の瞳はサファイアでできていた。
人々は王子をたいへん好いて、『幸福な王子』と呼んだ。」
劇場には幸福な王子を呼ぶ声が溢れます。
「幸福な王子!」「幸福な王子!」「幸福な王子!」
しかし王子はそれを一蹴します。
「馬鹿かお前らは!」
同じ街に、1羽のツバメがいました。ツバメの仲間はみんな、冬を越すために暖かいエジプトへ旅立ってしまったけど、ツバメは薔薇(原作では葦)に熱烈に恋をしたので出遅れたのです。ちなみに薔薇との関係は、ツバメがひとりでに薔薇に失望して終わります。
お話は、そのツバメが王子の像の足元で、夜を越そうと降り立ったところから動き出します。
さて休もうと思ったツバメは、王子が泣いていることに気づきます。
「あんたは幸せなのに、なんで泣いているんだ?」
王子はこたえます。
「この街は不幸な人々であふれているのに、おれは両足が台座に固定されていて動けないんだ!」
生きているうちは、自由気ままに生きて快楽を味わった。でも銅像となってここで動けぬまま何百年も生きて気づいた。幸福は快楽とイコールではない。だけど銅像だから何もできないままだ。泣けてくるだろこんなの!と。文字だけで伝えるとさわやかな王子さまを描くかもしれませんが、この作品の王子は『キレキャラ*3』です。
そこから、ツバメは王子の手足となり、王子の目や剣の宝石、最後には王子がまとう黄金までもを、王子の指示通り困窮している人々に届けます。
「なんで裕福な人間と、貧しい人間がいるんだ?」
とツバメ。
「この世の全てはゼロサムなんだ。誰かの勝ちは誰かの負け。経済においては、勝者は永遠に勝ち続けるように知恵を働かせる。」
と王子。
「ほーん、そういうものか。」
人間はよく分からないや、とツバメ。(かわいい)
王子は自身を犠牲にしながらも、次々と助けを必要としている人に手を差し伸べます。
「届けてきたよ」
とツバメ。
「そうか、善いことをしたな」
と王子。
ですが、ツバメから宝石や黄金を受け取った人々は、必ずしも金目の物を手にして喜ぶわけではありませんでした。空腹と寒さで気を失っていた若い劇作家に、「暖炉の薪を買えるように」と王子は自らの目を犠牲にしてサファイアを届けます。ですが、ツバメが運んできたサファイアをファンからのプレゼントと勘違いし「やっと認められてきた!」とさらに仕事に打ち込みます。寒さで凍えそうなマッチ売りの少女は、同じくサファイアを手にして「きれいなガラス玉!」と、今日も暴力をふるう親の待つ家へ帰っていきます。
ツバメは指摘します。
「何も変わらないじゃないか。独善的だな。」
王子が言います。
「たしかに独善的かもしれない。でもいいんだ。少女があのサファイアの価値に気づいたら、逃げるための時間を稼いでやれるかもしれない」
これが王子の幸福論なのでしょう。自己犠牲と独善。だけど、それでもやる善。
王子の頼みを聞いて街に残り続けたツバメは、やがて寒さで死んでしまいます。ツバメが死んだ瞬間、王子の鉛の心臓は割れ、王子も撤去されてしまいます。
この時点ですべてのキャストが捌け、本高くんひとりですべてのセリフを朗読していました。
次の銅像の権利をめぐって、議員たちは醜い言い争いを始めます。
「次の銅像は私であるべきだな!」「いや、私であるべきだ!」「いや私が!」
市長や議員はとても低俗な印象を抱かせる声色でした(めっちゃ褒めてます)。
そのころ、天国の神様が、天使たちにこの世で最も尊いものを持ってこい、と命じます。天使は、真っ先に、同じごみ箱に捨てられていたツバメの死体と王子の心臓を神に届けます。
「お前は良いものを選んできた。」
と神。
議員とまったく同じ、低俗の声色で、神のセリフを読みます。
「私の黄金の庭でツバメは永遠に歌い、王子はずっと私を褒めたたえるであろう。」
ーー静寂。ゆっくりと中央に移動する王子。
また静寂。
息を吸い込む。
「馬鹿かお前らは!」
音楽が流れて、ゆっくりと王子の王冠を手にして、でも王冠は滑り落ちていって。
そこで舞台の幕が閉じました。
■原作との対比について
舞台を見て、居ても立ってもいられず原作を読みました。英語原文なら著作権が切れているのでネットで読めます。
印象的だった最大の違いは、やはり物語のラストです。
舞台は「馬鹿かお前らは!」というセリフでしまりますが、原作では神のセリフで終わっていて、ハッピーエンドと捉えるのが一般的です。なぜかというと、最後ふたりは神の楽園で、永遠の命を手に入れるからです。
いやいや、永遠の命でハッピーエンド?どゆこと?と全く腑に落ちなかったのでちょっと考えたいと思います。
まず、最後の神のセリフは、原作ではこう書かれています。
for in my garden of Paradise this little bird shall sing for evermore, and in my city of gold the Happy Prince shall praise me.*4
グーグル翻訳だと、こんな感じ。
「私の楽園の庭では、この小鳥は永遠に歌い、私の金の町では、幸せな王子が私をほめたたえます。」
え、これ、ハッピーエンドなの……?楽園で永遠に歌わされて、永遠に神にこき使われるの?王子とツバメが貫いた彼らなりの幸福を実現する自由がまったくないじゃないか。は?なんだこの終わり方は。意味が分からん。とだいぶ混乱しました。
モヤモヤっとして夜しかぐっすり眠れないオタクは、図書館へ行きました。このオタクはよく図書館へ行きます。
そこで見つけた曽野綾子訳の幸福の王子を読んで、いろいろと腑に落ちました。先ほどのラストの文、曽野訳では
「私の天国の庭では、このつばめは永遠に歌い続けるだろうし、私の黄金の町で『幸福の王子』は、ずっと私と共にいるだろう」*5
となっています。
上記のグーグル先生と比べてみると、文章後半の「『幸福の王子』は、ずっと私と共にいるだろう」は作者の意訳と分かります。訳者あとがきでも、ここに触れていました。
ただ一行だけ私が意識的に変えたところがある。それは最後の文章で、神は天に上げられた「幸福の王子」が「ずっと私を賛美するであろう」というのが原文である。しかし聖書の世界では、天国において神を賛美するということは、必ず神とともに永遠に生きることが前提となっている。*6
つまり、最後の文はキリスト教的に解釈すべきハッピーエンドであるわけです。私、信仰はありませんが、たまたま聖書になじみがあるオタクなので(旧約聖書サイコー)ここでピンと来たりしました。
ちょっと宗教学はわからないので、wiki以上に詳しくは書きませんが、ここでは永遠の命を授かり神と永遠に共にいられるというのが、救われて、「幸せ」で、満ち足りた状態であると解釈します。
つまり、王子とツバメは「善いこと」をしたから、天国で永遠の命を手に入れ、救済され、「幸せ」で、満ち足りた存在になった。というわけ。
オスカーワイルドが生きた時代や社会で前提となっているキリスト教の価値観に紐づいたハッピーエンドだったわけです。なるほど、そりゃ一発じゃ分からんて!日本で生まれ育つとあんまり親近感ないよ!と膝を打ちました。納得!やったね!
■最後、王子は何にキレたのか?
では、改めて舞台に焦点を戻したい。原作ではハッピーエンド*7だったわけですが、ロックリーディング幸福王子では、王子がブチギレて終わる。ハッピーエンドじゃない。明らかに解釈が違う。じゃあ王子は何にキレていたのか?
わたしの考えですが、王子は自分の考える「善くないこと」を権力者がし続けていることにブチギレたのではないでしょうか。
まず、王子にとって幸せとは、下の3つに要約できるのかなと思っています。
・快楽≠幸福。幸福は快楽のことをさすのではない。
・自己犠牲。『裕福なものの自己犠牲で全員の幸福が成り立つ』つまりはゼロッサムゲェム。全てはゼロサム。
・王子にとっての幸福は、みんなの幸福。
ゼロサムゲームの勝者側であった王子は死後、経済のゼロサムゲームにおける敗者に富の分配を行おうとします。100-0の勝敗を50-50の引き分けに少しでも近づけようと、困っている人のため、自分自身の価値*8や視力を犠牲にしてルビーもサファイアも黄金も、人にやってしまいます。快楽にふけるための金銭を、困窮した人々に与えます。
そして大前提に王子の考える幸福はみんなの幸福。つまり困っている人がいない世界が王子の中で幸福と呼べるものなんだと思います。そのために、富を過剰に持っている人間は貧しい人に分け与えるべき、という根底の思想があるのではないでしょうか。
視力を犠牲にしてサファイアを分け与えることは「善いこと」。我が身かわいさに財産を一極集中するのは善くないこと。
言い換えれば、
銅像の王子は善い。
生前の王子は善くない。
では最後、王子は誰にキレていたのか?
わたしは、「議員たち」と「神」と解釈します。
次の銅像になろうと、醜く争う議員たち。銅像になるというのは、栄誉や権力(つまり快楽)の一極集中だとも捉えられます。「馬鹿かお前ら!議員という立場にありながら、困っている人たちに目もくれず、快楽のため私欲のため、まだ私腹をこやすのか!」
頼んでもいないのに勝手に“救済”してくれちゃった神。「ツバメは永遠に私の庭で歌い続け、王子は私をずっと褒め称えるであろう。」キリスト教の文脈を当てはめずに解釈すると、天国といえども『富や権力の一極集中』のシステムに王子はまた戻されたと捉えられます。神様100-王子0の、勝者がいるゼロサムゲームが成立しちゃう。「馬鹿かお前!救うべき人は他にたくさんいるのに、お前の幸福=快楽のために俺を使役するのか!」
ようは、「偉い人がこんなんだからいつまで経っても変らねぇ!」という怒りが込められたブチギレだったのではないでしょうか。
■幸福な王子×ロックという化学反応
オスカーワイルドが子どもに書いた原作『幸福な王子』。読む者に欧風の街を彷彿とさせ、旅したことのあるヨーロッパの街並みを思い浮かべるような物語に、音楽を掛け合わせるとしたら何が思い浮かぶでしょうか。私はクラシック音楽でした。
だから、初めてこのロックリーディング幸福王子を知った時は、「ロック????」と宇宙猫になったものです。絵本になるようなお話にロックミュージック?はて?と観劇前の私は愚問を抱いていました。
観劇後の私の感想がこちらです。
めっっっちゃよかった。。。
— は くまい/ぽよ (@molten_pudding) 2020年10月29日
なんでロック?って思ってたけど見終わって納得だ、あれはロックだ
— は くまい/ぽよ (@molten_pudding) 2020年10月29日
舞台で描かれた王子は独善的と指摘されても「バカか!俺はそれでいいんだ」と言って己を貫きます。それってめっちゃロックでは……?
お話はあまり緊迫感もなくゆったりと描かれます。でも、見ていると引っかかるんです。「たしかに独善的だ。」「王子のそれって本当に『善いこと?』なのか?」
最終的に、愛情*9のある関係になったツバメも、王子のせいで死んでしまいます。「ツバメ、それで幸せだったの……?」「王子を無視してエジプトに行く人生(鳥生?)もあっただろうに……。」と。
でも、じゃあ善いことじゃないのか?と聞かれれば、「善いこと」なんです。自分を犠牲にしてまで困っている人を助けようと行動を起こした。それは善いことなんです。
ありゃ。なんだこの矛盾とモヤモヤは。幸福な王子って、全然完全無欠なんかじゃないじゃん。モヤモヤ。
観劇していて、引っ掛かりとモヤモヤと、それでも王子を理性的に肯定したいという葛藤とに襲われました。
ああ、ツバメも死んでしまって王子も死んでしまった。モヤモヤ。
権力と栄光のため争う人間は醜いな。モヤモヤ。
神様も全然救ってくれてないじゃん!なんだよ!モヤモヤ。
静寂。モヤモヤ。
しーん。モヤモヤ。
でもなぁ……。
うーん……。
……。
「馬鹿かお前らは!」
この爆音のひと言でハッとして、馬鹿だわたしは!となりました。
いいんだ、自分の幸福くらい自分の信念で貫いていいんだ。
ロックに語っていいんだ!
わたしの考える幸せの定義、有無を言わずにわたしが守ってあげなきゃ!
カタルシスがすごかった。モヤモヤが一気に浄化される瞬間ってとても気持ちがいい。それをひとつの舞台で経験してしまった。
幸福王子。
幸福「な」王子ではなく、幸福王子。
それは劇を見ている客でさえも、救ってくれる王子だったりするのかもしれません。
一応、参考文献
原作 Wilde, Oscar. The Happy Prince https://www.wilde-online.info/the-happy-prince.html
ロックリーディング幸福王子 https://koufuku-oji.com/
ロックリーディング幸福王子 パンフレット https://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=mumo&seq_exhibit_id=277798
Wikipedia「救済」ページより 救済 - Wikipedia
【後編】ありがとう、Johnny's World Happy LIVE with YOU! DAY5
ハピライ、ジャニーズjr.大集合DAY5の感想とレポの後編です!
徐々にテンションが狂っていくわたしの様子をお楽しみください。
▽前半はこちらから▽
それでは、後半の始まり始まり~!
後半セットリスト一覧
- 後半セットリスト一覧
- M13: だぁくねすどらごん/ HiHi Jets
- M14: Eyes of the future/ HiHi Jets
- M15: ねぇ もっと/ 美 少年
- M16: LALA love/ 美 少年
- M17: 僕らはMysterious/ 美 少年
- M18: SEVEN COLORS/ 少年忍者
- M19: 勇気100%/ 少年忍者, HiHi Jets, 美 少年
- M20: Hey!! Summer Honey/ 7 MEN 侍
- M21: BANGER NIGHT/ 7 MEN 侍
- M22: Vanilla/ クリエC
- M23: Make My Day/ 宇宙Six
- M24: GET ALIVE/ Travis Japan
- M25: 世界がひとつになるまで
- 総括
M13: だぁくねすどらごん/ HiHi Jets
たのしい!
- 橋本くんは同じことを2回言うのがデフォなの?かわいい。
- 実は初めて聞いたよ!
- 紹介ラップがちゃんとライム刻んでて感動している
- Garryの股からゆうぴw
- 「さくま」なのか「さくちゃん」なのか。
- みんなラップうますぎない......?どういうこと......?
- 『ひとりじゃないから複数形』
- \HiHi/ \HiHi/
- 歌詞もリリックも全体的にエモ
M14: Eyes of the future/ HiHi Jets
本日2度目の風邪案件
- だから温度差......!
- Imma super duper zap好き
- エモみ
- 歌詞がエモ
- がりさんのやわらかラップSexy...
- エモい
- アウトロラップエモいよ~~
- They're gonna be a legend!
M15: ねぇ もっと/ 美 少年
勝ったな、これは(?)
- 大昇くんお目目キラキラ
- 大昇ちゃんのおちりぷりちー
- 浮所くんめちゃめちゃ歌うまくなった......
- 那須くん本当にダンスがうまくなった......
- 「ずっとずっとずっと」の後のはかない手振り
- 完成度があがっている......
- 美 少年×儚さ=無敵
- I miss you too ;;
- 大人のかっこよさが出てきている
- 龍我くん歌がうまい!
- 大昇くんの顔好きだ
- マイクになりてぇ
- 「おお~うおおおおお~」(史上最高の出来)
M16: LALA love/ 美 少年
センステの似合うグループだ......
- 当たり前のように2曲目も生歌
- ねぇもっとのあとに生歌しびれる......
- サビのステップをアップで抜かれるなぁさん
- Gotta Get That! テンション上がる~!
- ラップパートのみんなわちゃわちゃかわいい~!
- ラップでメンステからセンステに移動
- 相変わらず歌詞の意味を汲むタイプの大昇くんのフリーダンス
- は!?うきたい多くない最近!?もっとやれ
- た『この瞬間きみを~(しゃくり)』うきたいわちゃわちゃ←情報過多でオタク混乱
- なすたい声の相性120%!!!
M17: 僕らはMysterious/ 美 少年
ギャアアアアアアアアアアアア
- LALA loveからの表情の切り替わり......!!
- 血が沸く。旧シンメーー!
- 3曲目でも当たり前のように生歌
- うそでしょ良すぎる
- 那須きゅんの滑舌が怪しいサビ前(キュン)
- 浮所『君が仕掛けたんだよ』大昇『どこにも逃がさない』の歌割考えた人だれ!?
- 『どこにも逃がさない』がまっすぐで切実で余裕ない感じで......YABAI......
- 大昇くん(17)にドSの概念が実装されていないが故の表現力で大優勝する僕ミス2020
- なすりゅエース曲
- うきたいアウトロ......!!!
- 最高!!!!!!!!!!!!!!!!
M18: SEVEN COLORS/ 少年忍者
かわいいーー!
- さわやか~~!
- SEVENどころかTWENTY-TWO COLORSだよ
- 星輝のハイキック高すぎでは?身体能力が意味わからん
- 1番うしろでも1番端でもセンターでもシャカリキの将聖くん推せる
- 将聖の移動距離とスピードwwwwww
- 人数多いと迫力ある!!
M19: 勇気100%/ 少年忍者, HiHi Jets, 美 少年
わたしも仲間に入れてほしい
- イヤモニ直す将聖
- Hi美出てきた~~!
- 『そうさ100%勇気〜』めっちゃ大昇くんの歌声きこえるww
- 那須くん with 長瀬くん将聖=大正解
- 大昇くん with つーちゃんくぼれん=大正解
- カメラに抜かれる時、両脇の2人と肩組んで完全にマイクが退場して肉声で歌っていた大昇くん
- 大昇班は花道の一番端
- 最後メンステに集合
- 大昇くんマイクオフでの「GO! GO! GO!」からのスピード移動
M20: Hey!! Summer Honey/ 7 MEN 侍
は........................?????
- 聞いてない
- ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
- す......すき......すっきぃ......
- 「Once in a lifetime 真夏の恋を」の後ろ楽しそう~~!
- 矢花歌声尊
- ア゙ア゙ア゙音ハメ(どこのメモだか記憶がない)
- 大光 脚 長すぎ
M21: BANGER NIGHT/ 7 MEN 侍
勘弁してほしいマジで
- 大光センター始まりかよ嘘だろ
- サマハニ→バガナイの音つなぎめっちゃ良い
- 控え目に言って7万回みた
- 千手観音できるグループは信じられるって田舎のばあちゃんが言ってた
- ダンスの時のダイナミックな身体の使い方がえびのそれ(床に寝っ転がったりする)
- ソロ後の移動さえも音とるし全体振りに流れるように戻る大光最高
- 『幻想はUp up up』のとこ、琳寧くんの裏で踊る大光最高
- 大光最高って韻ふむな
- 間奏の「デッデッデッ」ヘドバン振り切ってやるとこ
- 『目撃せよTonight』ですぐさま前髪直すとこ
- 大光おまえ~~~(沼)
- 琳寧くんがバク転してるときの振りと大光
- 髪の毛の使いかたまで完璧な大光最高
- 『7』なな(IQ3)(最後のポーズ)
M22: Vanilla/ クリエC
はぁ~~~~~~~~~~~~~~!?(えび担)
- 踊るグループは引きでうつしてー!
- 振り良ーー!
- 本家サビラストの手振り(キツネの影絵みたいなやつ)がサビ前の振りに入ってた......?
- つよい
M23: Make My Day/ 宇宙Six
超アイドル!
- キター!塚ちゃん振り付けの!
- 中のベストかわいい......(2回目)
- かわいい!さわやか!
- 緑の人うたがうまい(2回目)
- ダンス値よ。踊りうますぎ。すごい。
- 落ちサビ、いい外し具合と遊び具合!
M24: GET ALIVE/ Travis Japan
ジャニーズJr.ってなんだっけ......?
- イントロの松倉くんが帝王
- 元太くん歌うますぎ
- へ......ヘドバン......
- 歌詞もかっこいい。バチバチ。
- 『行くぜGET ALIVE』の音の取り方最高......!
- 花道をダッシュする龍也さん
- 松松から始まるヘドバンだぁあああ!
- つよすぎ
M25: 世界がひとつになるまで
/ Travis Japan, HiHi Jets, 美 少年, 7 MEN 侍, 少年忍者, 宇宙Six, クリエC
- 走馬灯......?
- 怒涛の浄化タイム
- バラードでもピョコピョコしてる将聖かわいい~
- 首でリズムとる大昇くん
- 両手でマイクをぎゅっと持つ大昇くん
- お目目ぎゅっと瞑って歌う大昇くん
- ラスト挨拶ゆうぴー→大昇くん→宮近さん
- 大昇くん『これからもジャニーズjr.をよろしくお願いします!』係だった(推しの成長に大号泣)
総括
ということで、全曲分の感想をしたためました。いやぁ、最高でした。
ちなみに、最後銀テが飛んだ時の大昇くんはクロールみたいに腕をブンブン振り回していましたね。何がしたいのかわからない。かわいいかよ!!!!!!
さて、ジュニア担になって日は浅いのですが、知れば知るほどみんな魅力的で改めてキラキラ、ギラギラした世界だなぁなんて思ったりしています。どのグループもパフォーマンスに「らしさ」や「つよみ」が出ていて、間違いなくおなかいっぱいの1時間でした。
やはりTravis Japanのパフォーマンスは圧巻で別格でした。えび担なので、ダンスもアクロバットも世界観丸出しの演出にも目が慣れている(というと変ですが、まあちょっとやそっとじゃ驚かない心構えの)つもりですが、それでも頭ひとつどころか5つくらい抜けてるのでは?と思いました。立て続けに3曲踊った時も、ベースの衣装は同じながらも曲ごとにジャケットを脱いだり変えたりと見せ方にアレンジが加えられていて、さすがの一言に尽きます。また、雰囲気や世界観が独特な『涙の結晶』。前にワンテンポ挟むことと、終わったら暗転させることでうまくセットリストに溶け込ませていたのも印象的でした。めちゃめちゃトラジャのステージに引き込まれました。まじで早く世界に見つかってくれ!
逆に、なんで今まで気づかなかったんだ!というくらい、予期していなかった角度から魅力でぶん殴られるという事件もありました。読んでいただいた方は勘づかれているかもしれませんが、7 MEN 侍です。楽器とスケボーのイメージが強かった彼らですが、なんてダンスがうまいんだ!!今回はダンスメインでしたが、パフォーマンスはいつものハチャメチャな7 MEN 侍そのものでギラギラしたステージに目を奪われます。中でも佐々木大光くんには、心臓を握りつぶされたんかというくらい心をつかまれました。このエントリーが大光沼落ちブログになりかけてとても焦りました。7 MEN 侍、バンドできてステージを高速移動できてバキバキに踊れてなおかつバラエティも出来るしメンバー愛もある。とんでもないグループを知ってしまった気がしています。売れろ!!!!!!!
際立って成長が伺えたグループもありました。特に美 少年。個々のスキルアップももちろんですが、ユニットとしての完成度がどんどん高まっているように見えます。今回は全曲に生歌でチャレンジしていましたが、なんとまあみんな歌が上手!あとは表現力やダンスにも磨きがかかってますよね。全体のスキルが底上げされたため、今まで集まって歌って踊るだけだった曲に「世界観」と「解釈」がついて来るようになりました。美 少年としてのステージに迫力と奥ゆきが出つつある。成長のはざまにいる彼らのパフォーマンスににじみ出る、飛躍の前の「溜め」感とスキルのあやうさ。これこそ今の美 少年にしか出せない刹那的な「色気」なんだろうな、なんて思います。これからどう進化を続けていくのか、どんな景色を見せてくれるのか、とても楽しみです!
ということで、長くなりましたがこのあたりで締めたいと思います。
本日の総評:今すぐ円盤出して!!!!!!!
(すでに重度のハピライロス。)
いつかこのブログを読み返すとき、円盤が手元にありますように。
ジュニアもオタクも全員に幸あれ!
【前編】ありがとう、Johnny's World Happy LIVE with YOU! DAY5
なんと2年ぶりにはてブにログインしました。わたしです。
今回は、6月20日から一週間に渡って配信されたハピライDAY5の記憶保全ブログです。
いろんなジャニーズJr.くんたちに度肝を抜かれ、自担・岩﨑大昇くんと推しグループ美 少年の成長に心震わせた1時間。普段レポは全く書かない(というか現場でそんな余裕がない)わたしが初めてコンサートの感想文を書きます。自分がどんな熱量で楽しみ、どんなところに沸き、どんなところで記憶喪失になったのか、未来の自分あてに共有してみようと思います。
注: 主語がない文はだいたい美 少年 岩﨑大昇くんのおはなしです。配信を見ている時の雑記メモをもとに文字起こしをしてます。ひっちゃかめっちゃかですがご容赦ください。
全編まとめて書いたらのえまるレベルのすごい量になってしまったので、前後半に分けてアップします!
それではみなさんご一緒に!
Johnny's World Happy LIVE
\with YOU!/
まずは前半、スタートです!
前半セットリスト一覧
- 前半セットリスト一覧
- Overture
- M1: Can do! Can go!
- M2: HiHi Jets/ HiHi Jets
- M3: Cosmic Melody/ 美 少年
- M4: みなみなサマー/ HiHi Jets&美 少年
- M5: Power of the Paradise/ 少年忍者
- M6: PARTY MANIACS/ 少年忍者
- M7: SAMURAI/ 7 MEN 侍
- M8: DON'T U EVER STOP/ クリエC
- M9: Rocket Spark/ 宇宙Six
- M10: 涙の結晶/ Travis Japan
- M11: ENTERTAINMENT/ Travis Japan
- M12: Unique Tigers/ Travis Japan
- 【映像】Wash Your Hands
Overture
ジャニーズみすごない?うきうきどきどき。
M1: Can do! Can go!
/ Travis Japan, HiHi Jets, 美 少年, 7 MEN 侍, 少年忍者, 宇宙Six, ジャニーズJr. (以後クリエC)
ジュニア全開のCdcgから始まって体中の毛穴全部開いた。
▽登場順▽
8・8で悔し涙を流したトラジャがトップバッターで出てくるエモ...... #やっぱり松松かよー
②7 MEN 侍
大光ばぶじゃん......
い、衣装かわいいいいいい!宇宙Sixポーズ好きです。
④クリエC
初披露が無観客の横アリ配信......とんでもないシンデレラボーイズだ。
⑤少年忍者
将聖ちゃんかわいいね~~^ 切実に目が足りない。
⑥美 少年
サビで出てきた。サビで。たいりゅツートップ、メンステの階段で歌う6人。知ってたけど端から端まで全員スタイル良くて控え目に言って目ん玉落ちた。
大昇くん楽しそう!!いつもどおり手振り多め。黒髪ロングでセンターパーツ。(何かお仕事決まってるのか......?)*1 美ーーー!顔面!尊!!尊!!!
階段パッカーンでHiHiがモーゼして出てきた。ローラー履いてる!抜群の安定感。
CdCg終わりの煽りが大昇くん!
『Happyにできんのかいっ!』好き。
M2: HiHi Jets/ HiHi Jets
- 牛乳が飲めるようになったゆうぴ(アルカイックスマイル)
- 尺ミスったGarryマジ卍
- ローラーでアクロバット is 何
- \HiHi Jets!!/
- グループ名を合法的に叫べる曲は神曲って相場が決まっている。
M3: Cosmic Melody/ 美 少年
- イントロで血が沸騰した
- かわいい。大昇くんニコニコでとてもGood
- 生歌 生歌 生歌 生歌 生歌 生歌......!?!?!?!(大混乱)
- 金指君うたうま
- 龍我ちゃんうたうま
- えっみんなうま
- ンミラーボール回してえぇぇぇぇ(美ブラート)
- サビのフォーメーション移動がみんなスッってしてる、もたつかない
- ダンスが歌が煽りが顔が、全部良い最高
- 間奏煽り大昇「離れてても心はつながっています!」好き。
- 間奏でコール \美 少年!/
- 手を挙げて~で大きく手を挙げる大昇くん。
- 前髪長い浮所くん良い~!あおりアングルでちらっと見える笑顔がSexy
M4: みなみなサマー/ HiHi Jets&美 少年
「み゙な゙み゙な゙ザマ゙ー゙」を全裸待機してたら「みなみなサマァ(せくしーばーじょん)」を投下された。一瞬なんの曲か分からなかった。
- バクステからにゅっとHiHi、そのままセンステの美と合流
- 夏だーー!
- 那須くんセリフ「たのしい~!」よかった
- たのしそう。大昇くんかわいい。
- 美声~!歌声がのびやかで最高!
- 「魔法の季節なーつやっすみー」(首コテ)(かわいい)
- がりさんラップ「今年のSUMMER VACATIONはこころのSUMMER STATIONへ」泣泣
- 裸になって泳ぎたーい!(手でウェーブ)
- HiBぃぃぃ
- サマーシーズン(テテンッ)の音ハメ
- ローラーで悠々のHiHiと、ダッシュの美の対比が大好きでな。
- ゆとたいぃ
- 曲終わり、次の出演者の方にスッと手を出す大昇くんかわいい上に仕事できる。
M5: Power of the Paradise/ 少年忍者
嵐の曲がとても似合う!
- 5忍者!(5忍者の概念って生きてるんか?)
- さわやか~~
- みんなしゃかりき
- 北川拓実に近づいてはいけない
- オッオッオオッオーオッオッオオッオーの振り好き
M6: PARTY MANIACS/ 少年忍者
おまわりさん、わたしです
- "Baby what's you waiting for” 言えないうちわく so cute
- イントロ終わりにBangって言ったん誰!!怒らないから出てきなさい!!
- 湧さんのダンス嫌いなジャニオタいないだろ......
- あじのおちりむちむち(IQ3)
- 五関先生に見つかってほしい!
M7: SAMURAI/ 7 MEN 侍
やばい、楽器持ってない侍が乗り込んできたぞ......
- 素手ですでに戦闘力7777777777億
- 大光ひとりでRINCHANを飛ばす
- イントロで投げキスばちこーんした大光許さない(沼)
- 振りが優勝
- 誰か...大光をドラムセットに座らせて.......ムリ...惚れてまうやろ......
- 治安悪い~!
- 大光の力の抜きかた、ニュアンスで流すとこ、全部全部ツボだ......
- \サムライ!/
- 楽器持ってなくても暴れるスタイル良
- ちょ 間奏おわりの大光の音とり反則......レフェリー……
- ヘドバン出の大光担でいいやもう
- 大光のハイキック(墓)
M8: DON'T U EVER STOP/ クリエC
は......?
- バッチバチに音ハメの振りつけ
- そしてそれを踊りこなす7人
- は......?(2回目)
- か・ん・そ・う~~~~~~
- 横原くん魅せ方がうまい
- クラップも漏れなく音ハメ。好き。
- これは完全に闇討ち。振り付けた人に1億円入りますように。
M9: Rocket Spark/ 宇宙Six
キラキラの笑顔に透けて見える技術。
- 当たり前のように生歌
- うたうまい(右端の緑のひと*2......)
- 衣装の内ベストめっちゃかわいい
- 原くんってこんなキラキラだったんだ......(失礼)(おうちislandTVの印象しかない)
- 「五つ星」のままなの......エモ......
M10: 涙の結晶/ Travis Japan
もはや言葉にならない
- この曲を一発目に持ってくるTravis何者Japan(とらびすなにじゃぱん)
- イントロ前のインストで雰囲気全部持って行った
- つよい
- 横並び7人つよい
- 圧巻
- 踊りながらフォーメーションチェンジすごい。良い。かっこいい。
- 間奏がNINJAでしかない
- トラジャのダンス、キレ良すぎて音がしなさそう
M11: ENTERTAINMENT/ Travis Japan
全体的に何が起こったのかわからない
- ジャケット脱いだァ
- ベスト+スラックス(黒キラキラ)=つよい
- 涙の結晶からの流れがシームレスすぎてすごい
- のえさん withちゃかまちゅシンメ
- 松倉くん歌がうまい
- Make you wanna TOP UP(好き)
- ああ~いい、サビがどこだか分んない
- It's ENTERTAINMENT...の振り良すぎる
M12: Unique Tigers/ Travis Japan
いや緩急よ。風邪ひくて。
- 日頃の鬱憤はらすーーー
- ジャケット着たーー!!
- Travis わちゃわちゃ Japan
- ENTERTAINMENTはなんだったの......?まぼろし......?
- うたがうまい(IQ3)
- メロディーも歌詞もよい!のえまちゅ職人コンビ
【映像】Wash Your Hands
/ Travis Japan, HiHi Jets, 美 少年, 7 MEN 侍, 少年忍者, 宇宙Six. クリエC
・「よく回して」の星輝、腕ながすぎるね
・肩パーン首グイ大昇くん(意味不明なメモ)
・間奏の呼びかけがなぁくん!
・声からして歌のお兄さんみたいな包容力の直樹さん
・なぁ「思い出してきましたか?」
ひだ「キターーーー!(爆音)」
はい!いったん前半はここまで!後半は怒涛でしたね。アーカイブで何回見ても毎回初見のリアクションをするくらい記憶がぶっ飛びまくりでした。
鬱々とした日常にハッピーな贈り物ありがとうジャニーズエンターテインメント。
後半も編集終わったらしれっと上げておきます。
それでは!
*1:まさかドラマが決まっていたなんて。テレ朝に足向けて寝れない。真夏の少年楽しみです! https://www.tv-asahi.co.jp/manatsunoshonen/#/?category=drama
オセロー感想(雑記)
オセローを見た。エミーリアが最高だった。
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・ほぼ自分用メモです。読みやすさを全く考えずに書きました
・「誰だよお前」を要所に挟みつつご覧ください
・知ったかぶりの部分や知識の浅いまま喋ってる部分が多々あるので、文学を勉強された筋の方にはオススメしない記事です。
・全部個人の感想です。正解ではないと自負しています。いろんな解釈があって良いよね。
・生暖かい目で読んでください
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諸事情で3幕からしか見られなかったので、私は正気のオセロー/イアゴーを知らずに終幕を迎えたわけだが、狂い始めた男たちの物語に、単純だが意味の深い「欲に囚われるバカな男たち」と「一途になにかを信じる強い女たち」の対比を見た。
デスデモーナは、夫オセローを心底愛し信じ抜く清廉潔白な女。美人。純白。潔白。分かりやすい。レミゼのコゼット的な、起こっている争いや諍いや戦いの蚊帳の外ではあるものの中心にいる、いわゆるヒロイン。
エミーリアは、デスデモーナを慕い仕える、この物語で一番「普通」の感覚を持っている女。に見えた。夫イアゴーのしつこい頼みでデスデモーナから盗んだハンカチが、結果として敬愛するデズデモーナの死(さらにはデスデモーナが愛し抜き愛されたいと願ったオセローの手による悲劇的な死)を招来したと、劇のクライマックスで知るのだが……なかなか誰も責められない立場ゆえ※ ヒロインのデスデモーナと比べて、自らの罪と夫の罪に対する感情、敬愛する主人が死んだことへの悲しみ、オセローに対する怒り、いろいろな感情を見せてくれる役だなぁと感じた。
※ある程度夫イアゴーを責めることはできるかと思うが、この時代の夫の罪は妻の罪、妻の罪は夫の罪、社会規範の文脈において夫婦は一体の生物かのような意識(が、実際存在し、それが舞台に練りこまれていたと仮定して)に鑑みると、やはりエミーリアはイアゴーを指をさして非難すると同時にその指は自分自身をも指していたのではないかと感じずにはいられない。
だからか、クライマックスのシーンでのエミーリアの叫び
「剣なんてこれっぽっちも怖くないわ」
「いいえ、北風のように喋ってやる!」
「喋るわ!」
的なセリフは痺れた。なんて反発的で、だけど観客の気持ちを正しく代弁しているのだろう。
もう1つ面白かったのは、先述した「欲に囚われるバカな男たち」と「一途になにかを信じる強い女たち」の対比である。単純ではあるが、逆説的に捉えることができるのではないか。
この時代、現代に謳われるような男女平等の観念は存在しないであろう。男は軍事や仕事で功績を挙げ、女を抱く。女は男の所有物の延長線にしか存在せず、妻の美しさや教養はきっと男のステータスの一部であったであろう。(もちろんそうでないこともあったとは思うけど。)
この辺りはエミーリアが夫の暴力や恐喝に怯えながらもオセローから離れないデスデモーナに対して放ったセリフ(ニュアンス)
「男は知るべきだわ。女にも感情はある、と」
「男が甘いや辛いを感じるように、女も感じるのだと」
からも見えてくる。
お芝居の流れでは、敬愛するデズデモーナに、「あなたは悪になって自由になって、あんな酷い夫から逃れる正当な権利があるんだ」と言っていると私は捉えたが、このセリフたちは別の側面も持つのではないか。
女はモノじゃない。お前らと同じ、人間なんだ。
案にそう主張しているかのようにも聞こえてくる。
この主張、今の時代を生きる人達ならば違和感のない考えだろう。(フェミニズムの1stウェーブだったかな)
つまり、エミーリアはとても現近代的な感覚を持ち合わせたキャラクターなのではないか。だから、2018年を生きる20代の女性である私は、こんなにもエミーリアに心惹かれるのではないか。
(私は自らを特段フェミニストとは称さないが、まあ女性である以上生きているだけでフェミニズムについては考えさせられる。のと、大学で政治学を齧ったので(齧った割には知識が浅いが)、多分感覚として私の中にあるのだと思う。フェミニズムに近い何かが。)
私は、シェイクスピアという、割と古い時代の人が、こんなにも現近代的な女性像を描いたことに感動している。そしてそのエミーリアという女性の主張は至極真っ当と言え、2000年代ではフェミニズムという名前を冠する立派なイデオロギーを内包しているではないか。だから、「エミーリアは強い女性だ」という感想を抱いたのであろう。古風で清廉潔白なデズデモーナとの対比で浮き彫りになる、エミーリアという現代的でラディカルさを内包した女性。役の深み、面白み、そして何よりもrelatable(共感できる)キャラクター造形に、心が震えた。
素敵なお芝居を見に行けて、幸せでした。方々に感謝しつつ、エミーリア役の方のお名前を調べて今日は寝ようと思う。何より神山イアゴー最高に顔が良かった。似合いすぎる〜〜!最高でしたありがとう(語彙はない)
伝田伝助は死んで現実になった
砂グラがふみとつの曲すぎてつらい。
どうも。お久しぶりの更新です。
2月いっぱいで個人ブログが終わってしまいましたね。A.B.C-Zが生み出すあんなキャラやこんなキャラが好きだったので寂しいような、でもえびブロがパワーアップしてくれたので嬉しいような、そんな今日この頃です。
戸塚さんのファンだけでなく、刺さった人は多かったのではないでしょうか。伝田伝助。五関担の私ですが、ヒィ……もう伝さん……抱いて……と呟きながら読んだ記事も数知れず。包み隠さず叫びます。みなさんご唱和ください。
「ロスがやべぇ〜〜〜〜!!!!!!」
私が重たい重たい腰を上げ、半年以上放置してしまっていたブログを稼働させた今回のエントリーで、言いたいことはただ1つです。
『伝田伝助は死んで現実になった』
読んで字のごとくではあるのですが、伝さん、最後の最後に現実になった!!と思ったのです。
戸塚さんの最終更新には痺れました。あの記事が更新されるその瞬間まで、伝さんはフィクションでした。あくまで、戸塚祥太というアイドルが「伝田伝助」のフリをしていた。言い換えれば、戸塚祥太と伝田伝助は同一人物で、戸塚祥太の人格から形成されたキャラクターだったのです。
最終更新がされるまで、「伝田伝助」「戸塚祥太」という表裏一体の存在が、ブログ伝田伝助を稼働させ、私たちを楽しませてくれていました。私たちは、伝田伝助に上がった文を読むことで、伝助を見、その奥に戸塚祥太を見ていたのです。
しかし、最終更新で衝撃的なことを伝えられます。(直接の引用はダメかなと思うので、うろ覚え大明神の私監修での概要は以下の通り。間違っていたらごめんなさい)。
-ブログ伝田伝助は、実は戸塚くんにお願いして書いていもらっていた。
-伝助はアメリカへ飛ぶ直前にこれを書いた。
そして、戸塚祥太の文面で伝えられた、事実。
-伝助は、とっくに死んでいた。
この瞬間に、今まで一体であった「伝田伝助」「戸塚祥太」が乖離したのです。最終更新を読んだ時のあのカタルシスったら、言葉にできません。
「伝さんって、結局戸塚くんでしょ」 「なりきりブログじゃん」とは言えなかった、伝助ファン。伝さんは戸塚さんだと分かっていながらも、でも戸塚祥太の中に確かに存在する伝田伝助を信じ、心を奪われていた。そんな状況で、最後の最後に伝さん、戸塚さんの各々の口から、「別人」の太鼓判を押されたような気がしたのです。
「別人」の太鼓判は伝さんとの長い長いお別れではありました。それでも、「伝助は死んだ」「今まで読んでいたのはとっつーの書いたブログ」「伝さんは戸塚くんじゃない」の3つが持つ心のモヤモヤの浄化作用は、すごかった。
伝さんは現実だったのです。
例えるなら、話に聞いていた友達の友達って会わなくても「いる」し「現実」である、そんな感覚です。
伝さんの存在は戸塚さんと表裏一体なんかじゃなかった。ちゃんと別で存在したんだ。
ブログ伝田伝助から透けて見えたのは、伝さんじゃない。私たちが認識していたとおり伝さんのフリをしたとっつーだったのだ。私たちが見ていたのは、奥に戸塚祥太が見える伝さんではなく、伝さんに見えた戸塚祥太だったのだ。
それって、『結局戸塚くん』だったし、紛れもなく『なりきりブログ』だったのだ。
だからこそ言える。伝さんは確かに「いた」。とっつーとトンカツ屋(だったか?)で出会った、職業ライターの、あの渋くてカッコよくて、ちょっと可愛くて、でも誰よりも素敵な感性を持っている伝さんは、紛れもなく「いた」のだ。
私たちは戸塚くんのなりきりブログをとおして、伝さんという存在に出会った。そしてその架空であると思っていた存在が、死をもって私たちの中で現実になったのだ。
何という逆転の発想だろうか。
脱帽です。
とっつー、すごいなぁ。
唯一無二だよね、彼は。
伝さん、ゆっくり休んでね。
願わくばあなたの書いた記事を、
読みたかったな。
Defiled感想
基本的に日記を公開していくスタイルなので、いつも書き出しはTodayですが公開する日はTodayじゃありません。これを書き出した日はDefiled観覧翌日の5/7、私めは名古屋へ向かっていました。いろいろあった名古屋。心がセンチュリーホールから戻りません。
まず注意点
1、多大なネタバレを含みますので読み進められる方は承知ください
2、あくまで個人の解釈ですので、異論は積極的に認めます
3、だいぶ危うい記憶で書きました
4、長いし意味不明です
ということで(どういうことで?)
長い長いDefiled感想文の始まり始まり。
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2017/5/7
さて今日も今日とてオタ充してますが、昨日のDefiledお忘れなわけありませんよね。あなた、ああいうお話好きでしょう。「響いた」は大袈裟かもしれないけど、かなり好きでしょう。
ハリー、良かったなぁ。戸塚さんの表情の演技が間近で見られて、本当に良い経験できた…あ、うん、オタクとしての良い経験です。そこに生産性はありません。
カード目録の廃止に徹底反対の意思表示として、アメリカの歴史ある図書館に立てこもる爆弾犯、ハリー。それに投降を説得しに来たディッキー。基本的にはこの2人の会話劇で1時間40分(?)、魅了されたっすね。魅了された要因として ⑴ 演出 ⑵ キャラクター の順に書いて行こうかな。まあ平たく言うと全部好きってことなんだけど。
何がまず魅力かっていうと、照明の演出。開演までの間、スポットライトが客席に当たっていた。どういう作用があるかと言うと、客は眩しくて舞台が暗く見える。辛うじて、舞台の壁部分をずらっと覆う本棚のセットと、客席から見て舞台左手にうっすらと机、椅子、そして白いパソコンが見える。
そして何よりも目がチカチカする。ずっと強めの光が当たっているわけだから、一定の高さ以上に目線を上げると、文字通り光が視力を潰しに来る。だから客はあまり舞台セットを凝視できない。同行者と「これも演出の一部かなぁ」とか喋っていたらBGMが止んで、低い低い地面を這うような音が会場に響いた。うおー始まった!というワクワク感と同時になんだかピリピリした雰囲気に包まれてたよね。小さい会場だから臨場感がすごい。
話を戻してライトなんだけど、開幕すると同時にそれまで客の目を潰していた照明がゆっくりと落ち、舞台上のある一点に徐々に光が集まった。ボワ〜っと浮き上がるそのオブジェクトは、大量の爆弾。そんな視覚的演出から始まりました。もう、この時点でかなり好きだよね。
ゆっくりと照明がステージ全体を照らし、出てきたのはカード目録とハリーメンデルソン。あたりを警戒しながらも爆弾をまばらに設置していく。映画ならここでぐわーっとカメラが引いてDefiledって出てくるとこや!オープニングや!って1人でテンションが上がりました。
好きな演出その②はこの後。警察が来て電話が鳴る。ここ。劇場の右奥から青と赤のライトがチラついた。アメリカンなポリスカーが誰の頭にも思い描かれただろう。さらに鳥肌が立ったのは音の演出。洋画でよく聞くあのパトカーのサイレンに被さるように、電話が鳴る。この電話のベル音がとてもアメリカンだった。日本の電話ベルは少し篭ったような、柔らかく鳴る音のように個人的には感じるのだが、この舞台で鳴る電話の音は耳をつんざくベルの音。オノマトペにするなら、日本はポルルルル、アメリカはピルルルル(※当社比)。聴こえてきたのは後者。とてもアメリカンだ。このパトカーと電話の一瞬のシーンで、私は青山からアメリカに飛ばされた。俺いまアメリカだったっけー!?ってなった。
特に序盤は物語に入り込めてないから演出をじっくり考える余裕がありましたが、後半に向かうにつれてハラハラしすぎて(あとハリーに心を奪われて)演出の考察する心の余裕はありませんでした。南無。
わたしがDefiledを好きな理由その②キャラクター。もうバレているかもしれないが、ハリーメンデルソン大好きマンです。ディッキーとの対比で見えてきたハリーというキャラクターについてここから更にツラツラと駄文を生産します。
ハリーメンデルソンという人間を、ひと言で表せる人はいるだろうか。いたら尊敬する。私がハリーに出会ってまず頭に浮かんだのは、乙女座の星座にまつわるお話でした。
そもそも乙女座の由来となった(と言う表現で正しいのだろうか)神話は2つある。第1にギリシャ神話から、ゼウスとその姉であるデメテルの間の子(諸説あり)のペルセポネという美しい女神。ペルセポネはその美貌ゆえに冥界の王ハデスに見初められ、誘拐され、解放されたかと思ったらいろいろあって冥界の女王になった神さま。夫がありながら美しい人間の男アドニスに恋をしたりする。まあアドニスは別の女が好きだったらしいけど、ここではあまり関連性がないので省きます。気になる方はウィキペディアでも読んでみてください。
さて、もう一つの説で今回のハリー考察に関連性の高いのが、アストライアとするもの。この子はローマ神話が元のギリシャ神話の女神なので一説によるとゼウスの娘だよ。アストライアは正義が神格化した女神で、人間に正義を訴える存在だったのだが、段々と暴力と欲に溺れていく人間に遂に嫌気が差し、天界へと帰っていった。彼女は比較的人間が好きな神様だった。その証拠に、正義の神様3人(にん?)のうちで最後まで人間の性善を諦めなかった女神だからだ。だからこそ、許せなかったのだろう、という解釈を占いサイトで読んだ(参照4)。人間が大好きだから、正義に準じて営みを紡げない人間が耐えられなかったのだろう。
話は戻るが、ハリーはきっとアストライアなのではないか。それを如実に感じたのは、元婚約者がトラベルエージェントになったと聞いたときのハリーの反応。心底失望して怒りさえ覚えていたようだった。絶望といっても差し支えないかもしれない。さすがに大げさか。
きっと許せなかったのだろう。トラベルエージェントという単語が飛び出す瞬間まで想い慕っていた唯一の女ですら、妥協して汚く生きているということが。ハリー的「正義」にそぐわない人生を主体的に選択した彼女が、心底好きだから余計に許容できないのであろう。彼は間違いなく頭脳明晰だが、人間的に賢くはない。きっと彼女でさえも理解の及ばない世界に行ってしまったという事実と向き合えないのだろう。また1人自分を置いていったことが、そしてその人物が自分の好きな人だということが、許容できないのであろう。
ハリーメンデルソンとはきっと、そういう人間だ。
潔白なまでに己に正義を追求し、それを他人にも求めてしまう存在は往々にして孤独に陥る。周囲は彼を理解しない。彼は周囲を許容し得ない。それゆえに彼の周りには人がいない。結果としてあのハリーメンデルソンが出来上がる。
そもそもフィクションのキャラクターはどうして「孤独」になるのか。私は2つの要因があると仮定してここでは書いていく(完全に自論です)。仮に孤独に陥る人間をAとし、周囲の人間をBとしよう。まず第1はAが自ら1人になりたがる場合。たまにいるでしょ、関わりたくない系厨二患者。そんなかんじ。第2にB(つまり周囲)がAを拒絶し近寄らない場合。「もう俺にはお前がどうしたいか分からないよ」タイプですかね。
まあざっくりと二分するとこうなるでしょうか。ここで重要なのは、ノンフィクションの世界(つまりリアル)で孤独になるとしたらこの2つのどちらも作用していることが多いのだろうと結論付くということ。良くないことが起こったらだいたいお互い様じゃないですか。社会科学なんて大体そうだ。全部グレーゾーンで程度の問題です。Q.E.D.
あの1時間40分から見えたハリー像から考えると、きっと先述の孤独が出来上がる要因「どちらも」作用した、と言うのが正解なのだろう。「ハリーも周囲を拒絶し、周囲もハリーを拒絶した結果」があれだ。この拒絶の理由は、先に述べたとおりハリーがアストライアだからなのだ。
ハリーの哲学は「汚く生きるくらいなら、美しく死んでやる」に近い。近いというかこの究極とも言えますかね。分かりやすく私たちに提示されたもので表現するなら「カード目録のない図書館が存在する世界で生きるくらいなら、美しいこの図書館が美しくいられる内に俺ごと死んでやる」でしょうか。
ハリーにとってのカード目録は、ただの物質ではない。それ以上の価値や意味が込められている。それは利便性や合理性に留まらず、歴史的に紡がれた知識の価値であったり、オリジナルであることであったり、舞台上でハリー自身の口から語られる思想にふんだんに盛り込まれている。観に行かれた方は何かしら印象に残っているだろう。
個人的に1番印象強かったのが物語の冒頭も冒頭、爆弾を配置するシーンでハリーはカード目録を踏み台にする。その時は左の靴を脱ぎ、白い靴下でそーっと、乗った。寝ている我が子を起こさないよう忍び足で寝室に入り込む父親のような、そんなようなハリーのカード目録を愛おしむ気持ちが伝わってきた。ああ、この人の正義はカード目録と共にあるのだ、と伝わってきた。
話は変わるが、劇中の会話でハリーの事件は「ちょろい」か「難しい」かの議論が交わされるシーンがある。ハリーが聞く。ちょろいケースってどんなの?ディッキーが答える。ちょろいケースってのは、犯人が俺に諭されるのを待っているときだ。だから話を聞いてやって優しい言葉をかけてやれば、即解決だ。ハリーが聞く。じゃあ難しいケースってのは?ディッキーが答える。難しいケースってのは単に時間がかかる場合のことではなく、犯人がキチガイのときだ。説得するためには相手の論理に合わせて話さなきゃならない。少しでも踏み外したら一貫の終わり、そんなケースは難しい。
そしてハリーは聞く。「じゃあ僕は?僕ってちょろい?難しい?」
このときディッキーは答えを出していない。君は諭されるのを待っているタイプには見えない、だからちょろいとは言えない。だが君はキチガイでもない。わからない。と言うだけだ。
私は、観終わって数日たった今でも、この問い(ハリーはちょろいか難しいか)に答えが出せないでいる。それは私にとってハリーが、「分からない」存在だからであろう。
私がハリーメンデルソンが何なのか分からなくなったのは、ほんの一瞬の出来事であった。それは、ハリーが爆弾を手に持ちながら大演説をかますシーン。興奮状態の彼は爆弾を振り回しながら、カード目録の上に立ち、たいそうなことを口にしていた。「時代が僕に与えた使命」だとか「僕は爆弾を持っている。つまり権力を持っているんだ」とか、ディッキーを説得しながら「勝者になろう!」だったか、正確には覚えていないがそんなようなことだった気がする。このとき、彼は、土足で、カード目録を踏み台にしたのだ。
分からない。なぜ、冒頭ではあんなにも愛おしそうに扱ったのに、ここに来て踏むのか。彼の正義はカード目録と共にあるのに、熱っぽい演説を披露しながら靴で踏めるのか。分からない。
私の思考でたどり着けた唯一の解釈は、「自分に酔いしれていたから」だった。結局ハリーも、メリンダ(先述の元婚約者)のように、ハリー自身を裏切ったのだ。完璧主義者で理想主義者からなんとも醜いエゴイズムとナルシシズムが露呈した瞬間だったのであろう。「かくあるべき」という確固とした美しい理想を遂行する者が、「僕が」と主張する。あの瞬間、ハリーに「論理」は通じただろうか。いや、あの瞬間はきっとディッキーの言うキチガイだった。
このシーン(だったかはよく覚えていないが、何かしらの大演説を聞いた)後、ディッキーは静かに立ち去る。トランシーバーで上司と二言三言言葉を交わす。「私にはこのケースは荷が重すぎます」と。
ディッキーが舞台上からいなくなってしまった。ハリーはまたひとりぼっちだ。しばらく誰も言葉を発しない時間が続く。直前まで2人の男が声を張り上げてぶつかり合っていたのに、舞台上から1人いなくなるとそこにはハリーの足音や椅子が床にぶつかる音以外、何も聞こえなくなる。静かだ。
ディッキーにも置いていかれたハリーは、電話の受話器を戻す。あの図書館の舞台で外部と連絡が取れるもののうちの1つを、繋がるようにする(少し記憶が曖昧なので間違っていたらごめんなさい)。
この受話器を戻すシーンの痛々しさと言ったらない。涙が出るくらい、彼の寂しさや人恋しさが伝わって来た。そう、ハリーはあんなんだけど、人間が大好きなのだ。人と関わることが大好きなのだ。ディッキーが、大好きなのだ。もっと仲良くなりたかった。一緒に夢を語りたかった。大きな理想を共有したかった。ハリーお前ってやつは。まったく、なんて不器用なんだ。
果たしてハリーは本当に「難しい」のか?論理の通じないキチガイなのか?いや、実はただの寂しがりやで諭されるのを待っている「ちょろい」ヤツなのではないか?そんなことが頭をよぎった。
またしても分からなくなった。ハリーは「難しい」のか「ちょろい」のか、「キチガイ」なのか「寂しがりや」なのか。
いちオーディエンスである私も、劇中人物のようにハリーを理解し得ない人間なのだろうか。私もまた、ハリーを諦め、ハリーに諦められ、彼から離れて妥協して行く人間なのだろうか。イタリアの田舎町の小さなカフェで美味しいコーヒーを飲めば感動はするが、スターバックスの新作フラペチーノを片手にショッピングモールでウインドウショッピングをすることにも楽しさを見出しそれを許容し、ゆくゆくはイタリアの小さなカフェを忘れいくのではないか。社会がアメリカの女流作家に与える影響についての卒業論文を書いて、手近な男と結婚しトラベルエージェントとして働くことに拒否を覚えない人間なのではないか。もしかしたら私も、実はメリンダなのではないか。
ハリーが好きで、ハリーの思想が好きで、ハリーの生き様が好きで。でも近づけば近づくほど苦しくて。自分には彼は救えなくて。いや、ハリーを救うというのもおかしな話なのだろう。しかし救ってやりたいと思うこの心がある限り、私はメリンダなのだ。
「イタリアはすてきなところだったわね、ところで週末のデートはおとといオープンしたブランドショップへ行きたいわ。」「あのコーヒーも素敵だったけど、スターバックスのコーヒーも案外いけるわよ」「私たちはイタリアに住んでいるわけじゃないんだから、そんな理想ばっか言ってないで現実を見ましょうよ」「アメリカだって捨てたものじゃないわよ。経済は安定している、自由がある、おいしい食事がある、それに、あの図書館はまだある。小さいことでも幸せを感じられるって、とても素敵なことだと思わない?」。終いには「お互い大人になりましょう」なんて言うんだろう。
そんなの、ディッキーとやっていることは同じだ。
妥協したくらいじゃ人間死なないよ、諦めた先にある幸せもいいもんだぞって説得しようとする。実際そうなのであろう。妥協しても幸せは見つかる。イタリア系のセクシーな嫁を貰えるし、家族みんなで嫁の手料理を毎日食べられる生活が待っているのだろう。それは間違いなく幸せで、生きるってそういうことなのだ。
しかしハリーメンデルソンはそんな「生」はいらない。彼にとっては『生きがい』が『死にがい』になり得るのだ(パンフレットより)。彼も幸せになりたい。人が好きで、人と幸せになりたいのだ。きっと可能であろう。しかしそれは、ハリーがアストライアをやめない限り不可能だ。
一向に交わらない平行線の議論。これこそが、あのラストシーンに繋がるのだ。まじカルチェイムさんすずかつさん小田島さん始めディファイルド作った人たち天才だな!!!!!勝村さんに関しては、もう素晴らしすぎて自分も怒られている気分になったよ。役者すげぇ…モノホンやぁ…(誰)
最後に、また1つ素敵な舞台に出会わせてくれて、とっつーありがとう。この矛盾と人間味に満ちたハリーメンデルソンというキャラクターを魅せてくれた戸塚さんは、胸を張って「私の好きなアイドルなんだ。凄いでしょう」と言える存在だ。間違いない。よね!
参照
1、ペルセポネ ウィキペディアページ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ペルセポネー
2、乙女座 ペルセポネ説
https://uranailady.com/shinwa/otome.html
3、アストライア ウィキペディア ページhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/アストライアー
4、乙女座 アストライア説
http://ptn48.shaberizon.jp/virgo.html
5、Defiledパンフレット